福島県の「県民健康管理調査」について
福島県では、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、将来にわたる県民の皆さまの健康管理を目的とした「県民健康管理調査」を実施しています。
この「県民健康管理調査」は、大きく分けて「基本調査」と「詳細調査」からなり、この「詳細調査」では、
- 甲状腺検査
- 健康診査
- こころの健康度・生活習慣に関する調査
- 妊産婦に関する調査
の4つの調査を実施しています。
県民健康管理調査(基本調査)
県民の皆さまの3月11日以降の行動記録を基に、外部被ばく線量を推計し、将来にわたる県民の健康の維持、増進につなげていくことを目的に実施しています。
対象者
平成23年3月11日時点での県内居住者
方法
問診票により実施
内容
3月11日以降、「いつ」「どこに」「どのくらい居たか」「どのように移動したか」など、皆さまの行動記録に基づいて推計します。
基本調査回答状況 (平成25年1月31日現在)
- 調査対象者
2,056,994人 - 回答者数
477,121人(回答率23.2%)
実効線量推計結果の状況 (平成25年1月31日現在)
- 全県調査(先行調査+全県民調査):394,369人
放射線業務従事経験者を除く386,572人の99.3%が3ミリシーベルト未満(最高値は25ミリシーベルト)
県民健康管理調査(詳細調査)
1.甲状腺検査(平成23年度及び平成24年度)
子どもたちの健康を長期的に見守ることを目的に実施しています。
対象者
震災時に0歳から18歳までの全県民約36万人
方法
甲状腺超音波検査
内容
平成23年10月から平成26年3月までを目途に、放射線の影響が考えにくい時期に現状把握を行います。
平成26年度からは、20歳までは2年ごと、それ以降は5年ごとに検査を行います。
実施状況
1月25日までに149,660人に超音波検査を実施。
A判定 | 132,354人 (99.4%) |
次回検査まで「追加検査」を必要としないもの |
B判定 | 734人 (0.6%) |
結節(5.1㎜以上)や、のう胞(20.1㎜以上)が認められ念のため二次検査を行うもの |
C判定 | 1人 (0.001%) |
直ちに二次検査を要するもの |
※検査結果については、検査結果が確定している1月21日発送分までを集計しています。 |
二次検査 1月28日現在
対象者
一次検査結果で、B及びC判定と確定した者(735人)
実施状況
218人検査着手、187人は検査終了。
県外検査
昨年11月から、県外46都道府県の77医療機関で甲状腺検査が受けられる体制が整備されています。
2.健康診査(平成24年度)
県民の健康状態を把握して長期的に見守っていくとともに、生活習慣病の予防や早期発見、早期治療につなげることを目的に実施しています。
対象者
避難区域等の住民等:211,987人
<避難区域等>
田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、及び伊達市の一部(特定避難勧奨地点関係地区)
内容
既存の健診制度を活用して実施します。(白血球分画などの検査項目を上乗せして実施)
検査結果
後日、本人(保護者)あてに検査結果を通知します。
実施状況 平成25年1月31日現在(速報値)
受診者数:43,819人(受診率20.7%)
3.こころの健康度・生活習慣に関する調査(平成23年度)
震災や原子力発電所事故で心的外傷を負ったり、不安や不自由な生活を余儀なくされるなど、困難な状況にある方々のこころやからだの健康度(問題)を正しく把握して、適切なケアを図ることを目的として実施しています。
ア.こころのケア
対象者
避難区域等の住民等:210,189人
実施状況 平成24年10月31日現在
回答者数 | 92,314人 (回答率43.9%) |
要支援者数 | 6,722人 (要支援率7.3%) |
イ 生活習慣に関するケア
対象者
避難区域等の住民等:180,604人
内容
現在のこころと身体の健康状態、生活習慣(食生活、睡眠、喫煙、飲酒、運動)、最近半年くらいの行動などについて調査し、要支援と判断された方に対しては、臨床心理士や保健師、看護師が電話による支援を行いました。
実施状況 平成24年10月31日現在
回答者数 | 73,569人 (回答率40.7%) |
要支援者数 | 3,351人 (要支援率4.6%) |
4.妊産婦に関する調査(平成24年度)
妊産婦の方の健康状態やこころの健康度を把握し、不安の軽減や必要なケアの提供を図ることを目的に実施しています。
対象者
①平成23年8月1日から平成24年7月31日までに、県内各市町村において母子健康手帳を交付された方
②県外市区町村から母子健康手帳を交付された方のうち、県内に転入または滞在して①と同じ期間に県内で妊婦健診を受診し、又は分娩をした方(14,415人)
内容
震災後の妊婦健康診査の受診状況、妊娠経過中の健康状態、妊産婦のこころの健康度などについて調査し、要支援と判断された方に対しては、助産師、保健師等が電話やメールによる支援を行っています。
実施状況 平成25年1月31日現在
回答者数 | 5,399人 (回答率37.5%) |
要支援者数 | 799人 (要支援率14.8%) |
お問い合わせ先
福島県立医科大学
放射線医学県民健康管理センター
024-549-5130(土日祝日を除く9:00~17:00)
http://fukushima-mimamori.jp/basic/