原発事故による母子避難者等に対する高速道路の無料措置(Q&A)

原発事故による母子避難者等に対する高速道路の無料措置についてのQ & A集です。

Ⅰ.制度全般について

1. 高速道路の無料措置に係る具体的な手続きについて教えてほしい。

高速道路の無料措置に当たっては、市町村が発行する母子・父子避難等及びその移動経路に係る証明書を、通行券及び本人確認書類とともに出口インターチェンジ料金所で係員に提示する必要があります。まずは、証明書の申請を平成23 年3月11 日に居住していた市町村までお願いします。なお、避難先の市町村では申請できません。

2. 母が元の居住地に残り父子が避難する場合も対象となるのか。また、父母が元の居住地に残り子が避難する場合も対象となるのか。

いずれも対象となります。

3. 母子が対象地域内で避難をしている場合は対象となるのか(例:いわき市から母子が郡山市への避難の場合)

原発事故を起因とする避難については、対象地域内の避難についても対象となります。ただし、同一市町村内の避難については、原発事故による避難者である可能性が低く、対象とはなりません。

4. 父親が対象地域内に避難しており、母子が対象地域外に避難をしているような場合は、無料措置の対象となるのか。(例:いわき市から父親は郡山市、母子は山形市へ避難の場合)

対象となります。この場合、申請先は現在の居住地の市町村ではなく、平成23年3月11日に居住していた市町村となります。

5. 父親が震災の影響で対象地域外へ転勤し、母子が対象地域内に避難をせずに残っている場合は対象となるのか。

本措置は、原発事故による健康不安に伴う避難により分断された家族の再会を支援し、子どもたちの健やかな成長を促進することを目的としていることから、子どもが対象地域内に避難をせずに残っている場合は対象となりません。

6. 妊婦は対象となるのか。

対象となります。この場合、申請に当たっては母子手帳のコピーを添付してください。また、出産等した場合は、証明書は無効となりますので、改めて申請をしていただくようお願いします。

7. 原発事故発生後に出生した子は対象となるのか。

両親が原発事故発生時に対象地域内に居住していれば、対象となります。

8. 本無料措置の開始以降に新たに避難をした世帯については対象となるのか。

対象となります。

9. 片親の場合は対象となるのか。

親権を持っている親が対象地域内に居住し、子が避難している場合は対象となりま
す。

10. 父親、母親に代わり祖父母等が子どもの養育をしていた場合において、当該祖父母と子どもが離ればなれになった場合は対象となるのか。

発災以前から、祖父母等が実質的に子どもの養育をしていたことを客観的に証明できる場合、対象となります。子どもが祖父母等の扶養親族となっている(勤め先から扶養手当が支給されている、健康保険において同一の世帯として扱われている)等の事実を証する書類を証明書の申請の際に併せて提出をお願いします。なお、この場合、父母は本措置の対象外となります。

11. 子どもは何歳までが無料措置の対象となるのか。

平成25年度に満18歳以下の誕生日を迎える子どもが対象となります。

12. 平成23年3月11日時点では対象地域外に住んでおり、震災後に対象地域内に転居したが、無料措置の対象となるか。

平成23年3月11日時点で対象地域に住んでいた方でなければ対象となりません。

13. 平成23年3月11日時点で対象地域内に居住していたが、4月から進学や転勤で子どもや父親のみが対象地域外に転居した場合はどうなるか。

家族が離ればなれで暮らしている外形があっても、それが原発事故を起因とするものでなければ無料措置の対象となりません。このため、単なる進学や転勤は対象外です。

14. 平成23年3月11日時点で結婚していたが夫婦の片方が対象地域外に居住していた場合は対象とならないのか。

夫婦の片方が単身赴任していた場合等において、夫婦の生活の本拠が対象地域内にあったことが確認できれば、対象となります。

15. 平成23年3月11日時点では結婚しておらず夫婦の片方が対象地域外に居住していた場合は対象とならないのか。

夫婦のもう片方が対象地域内に居住していれば対象となります。

16. 対象地域内の母子避難者等についても全て対象者に含まれるのか。

同一市町村内に避難している母子避難者等は、対象者に含まれません。
また、対象地域内の別の市町村に避難している母子避難者等についても、以下の場合等においては申請窓口の市町村で聞取りを行い、原発事故による避難者であることを確認のうえで証明書を発行いたします。
≪聞き取りを行う例≫
・原発に近づいていく方向の避難
(例:郡山市に居住 → 母子のみいわき市に避難)
・原発からの距離が変わらない避難
(例:福島市に居住 → 母子のみ郡山市に避難)
・極めて近距離の避難
(例:矢吹町に居住 → 母子のみ白河市に避難)

Ⅱ.制度の詳細について

1. ETCを使用してしまった場合、後で返金は可能か。

ETCを使用した場合、無料措置対象外であり返金はできません。入口では一般レーンをご利用のうえ通行券をお取り頂き、出口では必ず係員に証明書と通行券及び本人確認書類を提示するようお願いします。

2. 原発事故発生から今までの移動でかかった高速道路の費用は請求できるのか。

無料措置開始以前の費用については対象となりません。

3. 証明書記載の利用区間の途中のインターチェンジの利用(下車・乗車)は可能か。

証明書記載の利用区間の途中のインターチェンジを利用した場合、本制度の趣旨である家族の再会を目的として高速道路を利用したかどうかの判断ができないことから、高速道路無料措置の対象外となり、乗車したインターチェンジから当該下車したインターチェンジまでの本来の通行料金が請求されます。

4. 証明書記載の利用区間から先のインターチェンジまでを利用した場合については証明書記載区間から先の料金のみを支払えばよいのか。

証明書記載区間を超えたインターチェンジで下車した場合、本制度の趣旨である家族の再会を目的として高速道路を利用したかどうかの判断ができないことから、高速道路無料措置の対象外となり、乗車したインターチェンジから当該下車したインターチェンジまでの本来の通行料金を請求することとなります。

5. 証明書記載の利用区間が複数ある場合、証明書に記載されている家族はいずれの区間も利用可能か。

証明書に記載されているいずれの区間の利用可能です。
(例)父親はいわき市(自宅)に居住、母親は郡山市に避難、子どもは新潟市に避難しており、証明書の利用区間は「いわき中央IC⇔新潟中央IC」「郡山IC⇔新潟中央IC」と記載。
⇒父親、母親、子どもとも「いわき中央IC⇔新潟中央IC」「郡山IC⇔新潟中央IC」の両方を利用可能

6. 首都高速道路、東京外環道等が無料措置対象外となるのはなぜか。

これらの道路は、福島県・宮城県内のNEXCO路線(東北道、常磐道等)とは別料金の路線であり、これらの高速道路を利用した後に東北道、常磐道等を通り家族の再会を目的として高速道路を利用したかどうかの判断ができないため、無料措置の対象外となります。

Ⅲ.申請方法について

1. 避難元又は避難先の最寄りのインターチェンジ以外のインターチェンジで申請することは可能か。

原則避難元及び避難先の最寄りインターチェンジ(=最短距離のインターチェンジ)(①)を申請してください。
ただし、①のインターチェンジの隣接インターチェンジ(②)の利用を希望する場合は、これを利用インターチェンジとすることも可能です(この場合、①のインターチェンジを利用インターチェンジとすることはできません。)。
また、道路事情の問題で①・②以外のインターチェンジを利用することが合理的な場合(通行の制限がされている、最短距離のルートを使用した場合悪路の峠道を通らざるを得ない、バイパスが整備されており時間短縮になる等)は、その理由を添えて申請してください。事情を確認のうえ、①・②以外のインターチェンジを利用することも可能となる場合があります(この場合、①のインターチェンジを利用インターチェンジとすることはできません。)。
それ以外の理由で①・②以外のインターチェンジを申請することはできません。
なお、①以外のインターチェンジを指定した場合、審査に日数がかかる可能性があることにご留意ください。

2. 職場や親戚宅に近いインターチェンジは申請できるのか。

職場や親戚宅に近い等の道路事情以外の理由で上記問1.の①・②以外のインターチェンジを申請することはできません。

3. 緊急連絡先及び同居証明書の記載は親類以外でも可能か。

緊急連絡先は本人と連絡がつかない場合、緊急連絡先に記載された者から本人に確実に連絡ができる方の記載をお願いします。同居証明書を記載する者は、同居先の世帯主であれば、親類以外の者でも可能です。

4. 申請者、代理人、同居証明書の本人確認用の公的書面の種類はどのようなものがあるのか。

公的機関から発行され、かつ住所が記載されているものとなります。代表例としては以下のとおりです。
運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード(顔写真あり)、健康保険証、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、小型船舶操縦免許証、後期高齢者医療被保険証、介護保険証、宅地建物取引主任者証等

5. 捺印する印鑑の種類に決まりはあるのか。

印鑑の種類に決まりはありません。ただし、同居証明書にあっては実印で捺印するとともに、印鑑証明も提出お願いします。

6. 証明書は申請後即時発行できるのか。発行までにはどの程度の日数がかかるのか。

証明書の発行には所要の審査を経る必要があり、発行までにはある程度の日数がかかることから、十分な時間的余裕をもって申請してください。なお、具体的な日数については、市町村の審査体制や個別の事情ごとにことなるので、あらかじめお示しすることは困難ですが、一般的に、提出書類が一式そろっている場合は早めに、特段の事情により一部の提出書類が出せない場合は相当の日数がかかることとなります。

7. 証明書の発行部数に上限はあるのか。

証明書の発行部数は避難元世帯と避難先世帯の2通を発行します。ただし、合計で3通以上必要となる個別の事情がある場合は、その理由を添えて申請してください。

8. 紛失・破損をした場合に再発行はできるのか。

紛失した枚数を限度に再度申請お願いします。破損の場合は、破損した証明書とともに再度申請お願いします。

9. コピー・複写等の証明書は使用できるのか。

証明書は原本のみ使用できます。

10. 証明書発行後、家族構成、避難先等が変更した場合、証明書変更は必要か。

証明書記載事項と実際の避難に係る事実が異なる場合、証明書は無効ですので、再申請をお願いします。

Ⅳ.通行方法について

1.無料措置を受けるための通行方法は。

以下の点に注意してください。

  • 避難元市町村より発行された証明書に記載されている対象者が運転又は同乗する車両について無料措置が適用されます。
  • 入口料金所、出口料金所では一般レーンを通行してください。ETC無線走行では無料措置を受けることができません。
    入口をETC/一般の混在レーンを利用する際には、ETCカードを車載器から抜いてレーンに進入する必要があります。ETCカードを車載器に挿入したまま進入しますと、ETC無線走行扱いとなり無料措置の適用を受けることができません。
  • 入口では必ず通行券を受け取ってください。
  • 出口料金所では係員へ通行券を提出するとともに、避難元市町村が発行する証明書及び本人確認用書面を提示してください。

2. 料金所で提示する本人確認用書面としてはどのようなものが可能か。

公的機関から発行され、かつ住所が記載されているものとなります。代表例としては以下のとおりです。
運転免許証、パスポート、住民基本台帳カード(顔写真あり)、健康保険証、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、小型船舶操縦免許証、後期高齢者医療被保険証、介護保険証、宅地建物取引主任者証等

3. 通行止めにより証明書記載の区間の利用ができなかった場合はどうなるのか。

証明書記載の利用区間内であれば、途中流出させられた料金所及び最終目的地である料金所において、走行が中断させられた旨を出口料金所で申し出てください。係員が確認のうえ、無料措置が適用されます。

4. 渋滞により証明書記載の区間の利用をしなかった場合はどうなるのか。

渋滞等利用者の自己判断を理由に走行を中断した場合は、無料措置の適用対象外となります。

5. 走行の際に証明書又は本人確認書類を持参していなかった。後で料金所で提示すれば返金してくれるのか(無料措置は受けられるのか)。

走行の際に避難元市町村が発行する証明書及び本人確認書類の提示がなければ無料措置は受けられません。走行の際には必ず係員に避難元市町村が発行する証明書及び本人確認書類を提示するようお願いいたします。

本件問い合わせ先

申請先の避難元市町村(平成23年3月11日時点に居住していた市町村)までお問い合わせください。


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